そこは僕らとは似てるけど違う世界。一つ違うのは、人と人の姿をしている機械が混在し、何の違和感もなく、日常を過ごしていること。人と彼等の境目はどこにあるのだろう?彼等は体液の変わりに体中に電気や機械油を流し、排熱の体温を持つ。あるとすれば、目の前の風景を記憶するか記録するか、それぐらいだ。

 この物語はそんな世界のとある街の町工場で繰り広げられる。まるで、今ここにいる僕らと変わらないぐらい、当たり前にささやかに

-戯曲『体温と体液』ト書きより抜粋-


2018年

7月6日(金)19:30

7月7日(土)14:00/19:30

7月8日(日)11:00/16:00

7月9日(月)18:00

各回開場は30分

 

七ツ寺共同スタジオ

名古屋市中区大須2丁目27-20)

 

MAP http://nanatsudera.com

舞台映像


舞台写真

cast/staff

脚本/演出/音楽:にへいたかひろ

出演:松浦功 山形龍平 早川綾子 古部未悠 鶴田雅弓 榊原耕平 近藤桃子 すずきたつろう 結沼栄太 にへいたかひろ

 

舞台美術:野地恵梨子

照明:則武鶴代

音響オペ:古河恵美

宣伝美術:鶴田雅弓

公演イメージ写真:ばらりゅういち(ABIRITY DESIGN

企画制作:よこしまブロッコリー


予告篇/稽古映像


体温と体液とは?

 2005年初演。世界最小のSFストーリーとして、俳優プロダクションの若手公演として雑居ビルの1室で上演される。人と人の形をした機械が織りなす温かくも切ない物語を通して、「人とは?」「生きるとは?」を浮かび上がらせた作品は好評を得て、その後、他演出家も含めて再演される。よこしまブロッコリーとしては2011年にKD.ハポンで初上演。リライトされ強度をました脚本とライブハウスであるKD.ハポンの特性、雰囲気を活かした上演が話題を呼ぶ。尚、戯曲としては第22回名古屋文化振興賞戯曲部門最終候補でもある。

 


作者より

 昨年、上演した『声の温度』は、AIを切り口に人やコミュニケーションを問う作品として多くの方から嬉しい言葉をいただきました。その時にメンバーから、このテーマをずっと書いてるんですね、と言われ、何のこと?と思ったら『体温と体液』のことでした。どちらもテクノロジーをフィルターに『人とは?』『生きるとは?』を描いている作品。ここで、第1稿を書いたときのことを思い出す。その頃は「その人にとって、どうにもならないくらい大きな出来事、苦しみを人がどう飲み込んで生きていくのか」を描く、そればかり描いていた気がします。そして人との対比として登場させた人の姿をした機械たちは魅力的なキャラクターとして成長してくれて、作品にいろいろな視点と深みをもたらしてくれました。個人的には再演を繰り返すなかで、多くの人に出会えた作品でもあります。今回もこの作品を通して多くの人に出会えるよう、しっかりとこの作品と向き合っていこうと思います。ぜひ劇場でお会いしましょう。

よこしまブロッコリー にへいたかひろ


再見シリーズとは?

2019年のカンパニー結成20周年に向けて、過去の作品を再評価、現在だからこその作品に再構築して、最新作としてお届けするシリーズ。また、よこしまブロッコリーが変化、進化しつづける表現カンパニーであることを改めて、世界に宣言するシリーズでもある。